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The Road To 2057

田村の今がわかるスタイリッシュ&エネルギッシュBLOG

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スティーブ・バートマン事件…アメリカ人もなかなかのものです。

第85回 平成29年(2017年)3月15日(水)

(昨日の続き)アメリカの野球が好きな方は、「スティーブ・バートマン事件」をご存知の方もいらっしゃると思います。

 

 2003年、メジャーリーグ(アメリカのプロ野球)のナショナルリーグの優勝チームを決めるチャンピオンシップシリーズは、シカゴ・カブスとフロリダ・マーリンズが対戦しました。

 

 このシリーズは7戦制で、先に4勝したチームがリーグ優勝チームとしてワールドシリーズに駒を進め、アメリカンリーグの優勝チームと対戦することになっていました。

 

 実は、カブスは100年以上の歴史がある人気チームですが、長らく優勝から遠ざかっていたんです。

 

 で、この年のカブスは、チャンピオンシップシリーズを3勝2敗で王手をかけて、地元シカゴのリグレーフィールドで第6戦を迎えました。

 

 第6戦も8回1アウトまで3対0でカブスがリード。もしそのまま勝てば、58年ぶりのリーグ優勝、さらにワールドシリーズでも勝てば95年ぶりのワールドチャンピオンになるという状況で、シカゴのカブスファンは多いに盛り上がっていました。

 

 ところが、8回に大事件が起きてしまうのです。

 

 マーリンズのカスティーヨ選手がレフトファールゾーンにフライを打ち上げました。

 

 そして、レフトを守っていたカブスのアルー選手がフェンスを超えてグラブを伸ばし捕球態勢に入ったところで、ボールを取ろうとしたファンに妨害され、獲ることができなかったんです。

 

 球場ではこのプレイのVTRが流され、妨害されたのがカブス側だったため騒然となったんです。

 

 YouTubeで改めてこのシーンを見直すと、打球は完全にファールスタンド側に飛んでいて、しかも、複数の観客がボールを獲ろうと手を伸ばしています。

 

 でも、たまたまボールの落下点の中心にいたスティーブ・バートマンという26歳の青年がテレビに大映しになり、周りの観客も、こいつが妨害した、というように指を差して、この青年が一気に悪者に仕立てられたのです。

 

 昨日のブログでも書いたように、打球はファールスタンドに飛んでいますので、ルール上はファール。それを野手がグラブを伸ばして獲れば打者をアウトにすることはできますが、それはあくまでおまけ的なプレイです。

 

 ただ、あまりに球場内が騒然としたので、球団職員が誘導してバートマン青年をスタンドから出したのですが、誘導中も興奮したカブスファンが取り囲み、青年に殴りかかったり、飲み物をかけたりしました。

 

 球団は、バートマン青年の安全の確保のため、事務所で職員のユニホームに着替えさせた上で、職員のふりをさせて球場から出し、自宅まで車で送る、という措置をするほど、大騒動になったのです。

 

 試合は、カブスナインがこの騒動に動揺したのか、なんとその後マリーンズ打線に猛攻撃され、8回に一気に8失点して試合を落とします。

 

 翌日の第7戦もカブスは元気なく敗退、あともうちょっとのところで、58年ぶりのリーグ優勝を逃してしまったんです。

 

 スティーブ・バートマン青年は試合後、「ファールボールを捕るのに夢中になり、アルーが捕球しようと近くに来ているのに気付きませんでした。申し訳ない気持ちで一杯です」と謝罪コメントを発表したものの、カブスファンの怒りは収まりません。

 

 そして、なんと、イリノイ州知事が「あの馬鹿から(刑務所入りした後)保釈申請が来たとしても絶対拒絶してやる」と発言したり、シカゴ市議会議員が「あいつをアラスカに移住させろ」と言ったりして、地位のある人までもがバートマン青年を攻撃対象にする始末。

 

 さらに、地元新聞がバートマン青年の住所や勤務先を掲載したことで、嫌がらせ電話が殺到し、バートマン青年は引越しを余儀なくされ、仕事も変わらなければならなくなったのです。

 

 昨日のブログでは、日本人特有の陰湿な集団心理、って書きましたが、アメリカ人も相当のものです。人間の陰湿さって、洋の東西を問わないんだな〜、と当時この騒動をテレビのスポーツニュースで知って、思いました。(明日に進む)