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The Road To 2057

田村の今がわかるスタイリッシュ&エネルギッシュBLOG

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試合時間が長くて嫌、という意見が主流になったら、野球はオワコンです。

第55回 平成29年(2017年)2月13日(月)

 アメリカのESPN(スポーツ専門テレビ局)が伝えたところによると、アメリカのプロ野球であるメジャーリーグ機構は、試合時間の短縮案として、故意四球、いわゆる敬遠を申告制とするルール変更案を選手会に通告したそうです。

 

 敬遠とは、強打者との勝負を避けるなどの理由で、ピッチャーがわざとボール球を投げて、打者に打たせないままフォアボールで1塁に歩かせる、という戦術です。

 

 変更案は、審判に「この打者、敬遠」と申告すると、打者に1球も投げないまま1塁に歩かせることができる、という制度のようです。

 

 ソフトボールではルール化されている制度ですが、もし野球で導入されたら、少なくともこの100年で、最も大きなルール変更となります。

 

 メジャーリーグ機構では、1回の敬遠で1分間の短縮ができる、と試算しているようです。

 

 私は日頃から、世の中の新しい試みに対し、はなから否定するような態度は取らないように心がけているのですが、さすがにこの変更案には、反対です。

 

 この報道を受け、野球ファンの間では賛否両論の意見が交わされているようです。

 

 私が不思議に思ったのは、この変更案が、試合時間の短縮案として提案された、ということです。ピッチャーの肩の消耗を防ぐ、といった理由なら、まだ納得いくのですが…。

 

 野球ファンならご存知だと思いますが、敬遠というのは、めったに出現しない戦術で、多くても1試合に1度か2度。つまり、申告制にしたところで、試合時間は1〜2分の短縮にしかなりません。

 

 アメリカ人というと、合理的で賢い、というイメージがあり、しかも、野球を始めとしてスポーツ文化を大事にする国民、というイメージもあります。

 

 そのアメリカ人から、このような提案が出たことに、ちょっと驚いてしまったんです。

 

 野球の試合の長さは以前から問題になっていて、オリンピック種目から外された一因とも言われています。

 

 それで、アメリカのプロ野球も日本のプロ野球も、試合時間の短縮に取り組んでいるものの、効果的な対策は見出せていません。

 

 でも、ルール変更で試合の時短をしようとすると、おかしな方向に行きそうで、ちょっと怖いです。

 

 ネット上の意見でも、揶揄、皮肉として「フェンスオーバーのホームランならダイヤモンドは一周しなくていい」「バントだけでなく、普通のバッティングでも、2ストライクからのファールはアウト」などの提案がありました。

 

 それより、もしルール変更により本気で時短を目指すなら、それこそ2ストライクアウト制とか、2アウトチェンジ制にすればいいと思います。でも、それに賛成する野球ファンは皆無でしょ?

 

 私も野球に親しんで30年経ちましたので、頭が保守的になってるのかもしれませんが、野球のルールって、どれを取っても絶妙にできていて、ルールを知れば知るほど、感心することばかり。

 

 実は野球の草創期には、大きなルール変更が幾度となく行われています。しかし、少なくとも20世紀に入って以降は、ほとんどルールの変更は行われていません(たぶん、一番大きな変更は、DH(指名打者)制度の導入だと思います)。

 

 つまり、現行の野球のルールは、100年以上の間、多くの人に違和感なく受け入れられた、変更する余地がない、かなり洗練されたものだと思うんです。

 

 ところで、そもそも、野球の試合って、時間短縮する必要があるのか、という議論はしてほしいと思います。

 

 野球は、他の団体球技種目に比べて特殊性がたくさんある、と言われていますが、試合時間もその一つ。

 

 普通はサッカーのように時間制か、バレーボールのように点数制で試合が終了します。でも野球はイニング制を採用しているので、時間をかければいくらでも試合時間が延びる可能性があるのです。

 

 でも、それが野球というスポーツであり、それで人気が落ちる、というのであれば、野球というスポーツ自体の魅力が低下していることであって、ルール変更による試合の時短でどうなるものでもないのでは、と思っています。